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2025.09.19

JAL国際線機長の飲酒問題から考えること

 日本航空(JAL)の国際線で、機長が飲酒したまま勤務に臨み、結果としてフライトが18時間も遅れたという事件が報道されました。さらにアルコール検査記録の改ざんも行われていたとされ、会社の管理責任も問われています。

 運転を職業とするトラックやバスの運転手は、運行前にアルコール検査が義務付けられています。最近では「アルコールインターロック」という、呼気にアルコールが検出されるとエンジンがかからない仕組みを導入する企業もあります。JALも大量飲酒をしている者のリストを作っていたといいます。

 しかし、本質的な問題は「飲んではいけない状況で、なぜ飲んでしまうのか」という行動の部分にあります。

 今回のケースのように我慢できずに飲んでしまう場合は、アルコール依存症またはアルコール依存症になる手前の状態であるプレアルコホリックが疑われます。

 仕事中の緊張を和らげようと飲酒を繰り返すうちに依存に陥ることもあり、大量飲酒をしていなくても依存症は進行していきます。アルコールには耐性があり、次第に量が増えていくのも特徴です。また、年齢が上がると代謝が遅くなるので少量でも体に長く残ってしまいます。

 航空業界では「フライトの12時間前までに4ドリンク以下」という基準があるそうですが、年齢や体質によってはこの基準でも高すぎる可能性があります。

 連続飲酒や離脱症状はないけれども毎晩飲酒しないと眠れない、大量飲酒をして欠勤することがあるというような方はプレアルコホリックかもしれません。また、血液検査で肝臓の数値の異常が指摘されているけれどもなかなかお酒を減らすことができないという方は、節酒や断酒を行うことが心身の健康のために重要です。ご自身のお酒との付き合い方に不安を感じられている方はどうぞお気軽にご相談ください。